徒然3行かもしれない日記

日々のこと、身体のこと、本のこと。気になることがあればコメントしてみてください。

すべてのことは必要なのだ

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

『学校に行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』は筆者の心が赤裸々に綴られている。悶悶とした苦しい日々が(他人がそう簡単に一言でいってはいけないと思うが)淡々と語られている。カミングアウトしたことで、またそれを最高の形でアニメ脚本に仕上げたことが読みやすい文章になっているんだろうなと思う。

やりたいことが明確にあったから、それを乗り越え羽ばたけたのだろう。

ファンタジックミステリー

さまよえる古道具屋の物語

『さまよえる古道具屋の物語』は古道具にまつわるほのぼの系の話の単編小説集と思って読み始めたら、どんどん繋がっていき、一度は奈落の底まで行き着くような展開もあるが、みんなが必要な古道具を手に入れ幸せをつかもうとする希望のファンタジックミステリー。

生きているだけで、上出来なのだ。

生れて来ただけで、勝ったも同然なのだ。

と思えれば、生き安かろう。

何度でも修理したらよろしいのよ

何度でもやりなおせばいいのだ。 

 

お遍路さん

 

慈雨

『慈雨』は定年退職した警官が、夫婦ふたりでお遍路をしながら、正義を貫けなかった重たい過去と真正面から向き合う小説である。

「人生はお天気とおなじ。晴れるときもあれば、ひどい嵐のときもある。

 

ずっと晴とっても、人生はようないんよ。

日照りが続いたら干ばつになるんやし、雨が続いたら洪水になりよるけんね。晴の日と雨の日がおんなじうらいがちょうどええんよ。

はんまにそうやなと思う。そして、その雨が優しく降り注ぐ、慈しみの雨なら最高。

 

 

うなぎおいし・・・

うなぎ女子

『うなぎ女子』は店のメニューから単編が作られ、味わい深い小説である。

うなぎとは、作者にとって心を満たすあったかい一番のごちそうなのだ。

だけどね、大人は隙間だらけだ。いやなこと、知りたくないこと、受け入れたくないことばかりで、心が冷えて縮んでしまう。泣いてもわめいても、現実はおろか、気持ちさえ変えられない。だからときどき必要なんだよ。心をいっぱいにしてくれるごちそうが。

 店でうなぎを食べたことのない私に心を満た

てくれるごちそうとはなんだろう?

冷凍室にうなぎのかば焼きがねむっている。

そろそろ食べなきゃ。

 

児童書だ

奮闘するたすく

『奮闘するたすく』は、デイサービスの介護施設を舞台に、介護、看取りなど重たい題材を扱っているのだが、小学5年生の目線で書かれいるので、大人には物足りないが、児童書としては、いいところをついている。

経済連携協定でのアジアからの介護士の受け売れをふまえ、インドネシアからきた一生懸命真摯に働くリニさんを登場人物に加え介護現場の現状をよく取材している。

その反面、子ども達に食事の介護まで経験させているとは・・・・実際このことも、取材先であったことなのかな?ちょっと?

「恩着せがましい介護をしてはいけない」は基本の其。「人間、ぜってー、死ぬんだよな」「でもそれまでは、生きてるし」と子どもに言わせたのはいいな。

今度は大人目線で介護現場を描いてもらいたい。

 

 

 

児童書だけど

夜の神話

たつみや章の『夜の神話』は1993年に書かれた児童書でファンタジィだけれど、原子力という人間が作り出した「青い火」をまだ安全につこいかなせていないとうい警告をこの時、すでに発している。

 神話という表題だけあってツクヨミの神様や家霊がでできてとっつきやすい。

ともすると人は「暗鬼」になりやすい。

だれもがサトリまんじゅうをもらえれば、もっと住みやすかろう。

そういえば、 高村薫は「青い火」ではなく「神の火」と

呼んだな。

 

 

 

 

 

生きとし生きけるもの

LIFE<ライフ> 人間が知らない生き方

『LIFE人間が知らない生き方』は、

動物の習性から生きぬくための薀蓄がいっぱいつまっている。

ダンゴムシの教え、同じ轍は踏まないが印象にに残っている。

壁にぶつかるのも人生。別の場所に向かうことも人生。

あぁ、それにしてもみんなみんな、逞しく生きている!