『うなぎ女子』は店のメニューから単編が作られ、味わい深い小説である。
うなぎとは、作者にとって心を満たすあったかい一番のごちそうなのだ。
だけどね、大人は隙間だらけだ。いやなこと、知りたくないこと、受け入れたくないことばかりで、心が冷えて縮んでしまう。泣いてもわめいても、現実はおろか、気持ちさえ変えられない。だからときどき必要なんだよ。心をいっぱいにしてくれるごちそうが。
店でうなぎを食べたことのない私に心を満た
てくれるごちそうとはなんだろう?
冷凍室にうなぎのかば焼きがねむっている。
そろそろ食べなきゃ。