『くちぬい』こわ~。
この作品は、作者の体験をもとに過疎化した田舎の共同体を舞台に都会から移住して来た人が、村から苛めにあい悲惨な結末を迎える救いのない作品である。
少しのボタンの掛け違いや、郷に入っては郷に従えの言葉を守っていれば、未然に防げたのかも・・・・
でそんな簡単な問題でもないか。
口は災いの元とうことかと思っていたが、さにあらず、
「小さな共同体では隣人の思惑をはかって思ったことを口にできない。共同体に不利になることをいう口は縫っておかなければならない。口縫いだ」というとこらからこの題にしたそうだ。すべてのことはくちぬいさまの罰だと、村人はしめしあわせる。気にそぐわない人を排除し、赤線でおこったことは、自分たちの責任ではなく皆で口を紡ぐ。
最初は面白く読んだが、救いのない結末はつらいし残念な気がする。
一度、心に突き刺さった言葉の刃は錆びて朽ちることなく、そこに残り続けている
一度、口から出た言葉は消えない。肝に銘じよう。