徒然3行かもしれない日記

日々のこと、身体のこと、本のこと。気になることがあればコメントしてみてください。

 春の日差しのようなぷらんたん 

春待ち雑貨店 ぷらんたん(新潮文庫)

『春待ち雑貨店 ぷらんたん』岡崎琢磨

心優しいターナー女性が営むハンドメイドのアクセサリー店。

自分自身も悩みを持ちながらも、お客の悩みに寄り添う。

だれしも体や心のどこかにいびつなものを抱えながら生きている

春の暖かさを思わせる物語。

 

 

漂う閉塞感と生きずらさ

漂砂のうたう (集英社文庫)

漂砂のうたう木内昇

明治初頭の混乱期、根津の遊郭を舞台に武士の身分をはく奪され遊郭の客引きとなった主人公。

閉塞感漂う生きずらさををかかえ生きる姿に読むのが苦しくなるが、落語家の弟子のポン太の明るさや苦界にあっても凛とした美しさをもつ花魁の小野菊の生き方に助けられ読了。

小野菊が身投げするシーンにはがっくりきたが、最後のどんでんかえし。

逞しく聡い生き方に感銘する。

小野菊の道中、途中まではさぞ華やかで美しいものだったに違いない。

わが道を行く

それでも彼女は歩きつづける (小学館文庫)

『それでも彼女は歩きつづける』大島真寿美

賞を受賞した映画監督、柚木にからむ女性たちの嫉妬、憧れ、称賛など様様な思いを描く。

面白い趣向、構成の物語。

最後は柚木自身の物語になるのかと思ったが、裏切られた。

わが道を行く柚木の影響力は大きい。

最後に

笑って 笑って

笑い三年、泣き三月。 (文春文庫)

『笑い三年、泣き三月』木内昇

戦後の混乱期。一旗あげようと浅草にやってきた心優しい万歳芸人、戦災孤児、復員者、ミリオン座の支配人と踊り子たち。

混乱期を生きる人々のエルルギー、人情や笑い、優しさがいりまじった明るく逞しい物語になっている。

明るく前向きに笑って歩いていく強さを教えてくれる。