徒然3行かもしれない日記

日々のこと、身体のこと、本のこと。気になることがあればコメントしてみてください。

今日も幸せ者でした

にぎやかな落日

『にぎやかな落日』朝倉かすみ

83歳、おもちさん。持病が悪化し、離れて暮らす娘から施設に入居することを薦められる。

加齢とともに日常のささいな動作が上手にできなくなる。

心と体がついていかず、心もどこかに置き去りにされていくような・・・・

そんな老境の心情を切々と描く。娘がいていい嫁さんがいて・・・にぎやかだ。

おもちさんのように今日も幸せ者でしたと一日の終わりに思いたいものだ。

残ることば

市原悦子 ことばの宝物

市原悦子ことばの宝物』市原悦子

世の中って残酷だな、理不尽だなという想いが残ったのね。

でも、大事なのはその先で、「けれど、その中で、一日、一日生きていくんだ」と。

そのことを『昔ばなし』が教えてきれました

このことばが一番残りました。

生きよ

僕と彼女の左手 (単行本)

『僕と彼女の左手』辻堂ゆめ

幼少時の事故のトラウマに苦しむ僕。

その時に救った少女との運命的な再会。

今度は逆に救われる。

最後の劇的なクライマックス。

うねりのような調べが聞こえてくるようだ。

生きよと。

美しいお話。

 

 

 

 

 

女神のサラダ

女神のサラダ

『女神のサラダ』瀧羽麻子

全国各地の美味しく丹精込めた農作物を作る女性を描いた短編集。

夜明けのレタスが一番良かった。

最後は野菜がそれぞれの農作物、酪農品が東京のレストランで供される。

うまくまとめられた作品。

捲土重来

風が吹いたり、花が散ったり

『風が吹いたり、花が散ったり』朝倉宏景

駅でぶつかったことにより、視覚障害のあるランナーの伴走者と走ることになった19歳フリターの揺れる心を描く。

生きずらさを抱え、それでも踏ん張りいい意味での悪あがきをしながら突き進む。

人生、山あり谷あり、風あり、咲き誇るも散ったり、雨にも打たれる。

「捲土重来」の社長のような大人が必要だ。

ミス・セロフアン

わたしの忘れ物 (創元推理文庫 M い 8-3)

『わたしの忘れ物』乾ルカ

引っ込み思案で目立たない大学生が学生部からの紹介で複合施設の忘れ物センターのアルバイトをする。そこで少しずつ心の変化が芽生える。

人により大切なものは違う。その物への想いも。

そういうことだったのか。期限付きの49日間といいうアルバイトも・・・

死者の魂は49日まではまだそこにあるという・・・自分をミス・セロファンということも・・

大事なものを忘れたために生き直しをしたような・・・

不思議で切ない大事な物語。