『春に散る』は新聞小説であったそうな。
作者はルポライターから完全に小説家になったのだろうか。下巻はさくさくと楽しく読ませてもらった。
主人公の人生の仕舞方は美しい。散り際の桜のように。
「正しき人になってください」という会長の言葉通りに晩年を生きたのだろうと思う。
「おはよう、おやすみなさい。いただきます、ごちそうさま。行ってきます、だだいま。ありがとう、ごめんなさい。この八つの言葉が言えれば、集団生活は円滑にいきます。」・・・・・・・
とりわけ会長の真田がうるさかったのは「ありがとう」と「ごめんなさい」についてだった。「きちんと礼を言う。きちんと謝る」
まさに基本中の基本。人が人である魔法の八つの言葉。