『空白を満たしなさい』は哲学書のような・・・物語。
平野啓一郎の作品はこれが初めて。
分人という考え方を初めて知った。
確かに、人間にはいくつもの顔があり相手次第で様々な自分になる。それが分人。
蘇ることによって、残された者の苦痛を和らげてくれたのだろう。
一生懸命頑張って、頑張って生きている人ほど自分を追いつめていってしまうような気がする。
もう少し楽に生きていければいいなと思う。
佐伯さんが徹生の父親の復生者のくだりはどうとらえればいいのかわからなかった。
最後の最後、ほんの一握りだけ残されている<空白>
その空白を生に戻すこと引き返すことが空白を満たすことなのかな。
重たい、深い物語であった。
当たり前のことだけれど、奥底に暗いものがあっっても明るく笑顔を絶やさない ことが、人を救う。
「和顔愛語」の精神が一番だけど、年を取るほど、笑顔でいることが難しい。
イツモシズカニワラッテイル精神が必要