『旅涯ての地』は題名に惹かれ借りた。
マルコ、ポーロ族が出てきたので、東方見聞録的なものかと思っていたら、宋人と倭人の血を引く奴隷の夏佳と一途な善き人、マッダレーナとのイコンをめぐる壮大な西への旅の物語。
宗教色が強く、異端の話が多く、なじめずななめ読みになった。
でも、いい言葉は随所にみられた。
皮肉な話だが、晴れの日が続けば、雨が降る。それだけのことだ。
人の心は水のようなものだ。毒を流されれば汚れるし、大きな岩に阻まれば思わぬ方向にの逸れていく。人生にはさまざまなことが起きる。
人生とは不意打ちの連続だ。
心の安らぎを求めて、東から西へと旅をしてきた、夏佳。
最後に、山の彼方でイコンを触れる手に安らぎを見出す。
大作には違いないのだらう。