徒然3行かもしれない日記

日々のこと、身体のこと、本のこと。気になることがあればコメントしてみてください。

誠の詩人

 

星をかすめる風

 

『星をかすめる風』イ・ジョンミン

戦争中、治安維持法がまかり通っていた時代、(何の罪もない)韓国からの留学生、詩人になること目指していた尹東柱が逮捕され刑務所に投獄される。そして27歳という若さで獄死してしまう。

物語は17歳の看守、渡辺の目を通して描かれる。創作でありながらも色濃く真実が語られるかのように。東柱の詩が挿入され、惨たらしい獄内の様子を際立たせる。そしてなおさら、純粋で透明感のある美しい言葉があふれるような・・・

哀しく痛々しく・・・・

美しい詩を作る感性豊かな繊細な誠の詩人。

多くの人に知ってもらいたいと思う。

 

「空と風と星の詩」尹東柱 

  序詞

死ぬ日まで空を仰ぎ

一点の恥辱なきことを、

葉あいにそよぐ風にも

わたしは心痛んだ。

星をうたう心で

生きとし生けるものをいとおしまねば

そしてわたしに与えられた道を歩みゆかねば

 

今宵も星がふきさらされる