徒然3行かもしれない日記

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漂う閉塞感と生きずらさ

漂砂のうたう (集英社文庫)

漂砂のうたう木内昇

明治初頭の混乱期、根津の遊郭を舞台に武士の身分をはく奪され遊郭の客引きとなった主人公。

閉塞感漂う生きずらさををかかえ生きる姿に読むのが苦しくなるが、落語家の弟子のポン太の明るさや苦界にあっても凛とした美しさをもつ花魁の小野菊の生き方に助けられ読了。

小野菊が身投げするシーンにはがっくりきたが、最後のどんでんかえし。

逞しく聡い生き方に感銘する。

小野菊の道中、途中まではさぞ華やかで美しいものだったに違いない。