久々に重松清さんを読む。
3.11後の喪失と再生の7つの短編物語。
祈りと悲しみ、筆舌に尽くし難い想いを表現している。
『また次の春へ』とどんな悲しみや苦しみがあろうともまた次の春を迎えることを目指して歩む。
厄災を経験せずに、安住している私にはおまりにも重い小説ではある。
そのなかの「しおり」の一文が胸に痛い。
読みかけの本にしおりをあたりまえに挟む。
そのいつもしているごくごく当たり前のなにげない行為が
いとも簡単に次につながらく失われるなて・・・
だれが思うだらう。
しおりを本に挟むというのはそういうこだ。
一番小さな未来を信じた証が、薄いひとひらのしおりなのだ。