『赤羽せんべろまねき猫』坂井希久子
立ち飲み屋、まねき猫を営む父が倒れたことによる娘の波乱の人情物語。
父としては失格者だったが、満足に食べられない子供たちに食事を提供したりしていて慕われていた。
父親としては問題があるが、最後には父親の人間関係に救われ、自身を取り戻していく娘。
まねき猫が人を優しく招く。
レトロな食事付きマンションの住人に寄り添う心を癒す薬膳メニュー。
体調不良やストレス、いさこざなどの悩みも解決する料理人。
人は美味しいもの、体に良いものを食し、体や心を回復、整え前向きに動き出す。
当たり前だが
人は食べることで元気を取り戻す。
『うらぎり長屋』高瀬乃一
江戸で生きづらくなった人が行き着く、うらぎり長屋に住まう人々の悲哀を描く。
前向きに日々を生きおんぼろ長屋を後にする母娘、落ちぶれてやけになった夫をささえる気丈な妻と子。その姿を見て心を入れ替える夫。
罪を逃れるために隠れ住む男など。
最後にはみんなうらぎり長屋を出ていく。再出発するのだ。
最後のどんぜんかえし。そういう曰くがあったのかと・・・
女ってのはね、腹の中に旦那の悪いところをため込む壺みていなもんを持っているんだぞ。そいつがいっぺえになって溢れかえると、亭主が気づいたときにぁいなくなっている生き物だぜ
このセリフがすとんとおちる。