『翡翠色の海へうたう』深沢潮
戦争に翻弄された元慰安婦の女性の歴史と美しい翡翠色をたたえる沖縄の海と対称的な沖縄戦の傷跡。それをテーマに小説家デビューをし地位を築こうとする若き作家志望の主人公の取材状況と慰安婦の女性たちの姿か交錯するように描かれている。
読んでいて苦しくなり、読みと飛ばしてしまったところもある。
この作家の熱き想いのたけが詰まっている。
どんなに過酷でつらい人生でも翡翠色の海に向かって故郷を想いアリランをうたう。
なおかつ、人を思いやり慈しみの心をもつ一人の女性の姿が美しく尊い。