『狐霊の檻』は廣嶋ワールド全開。
富と権力をほしいままにするため、阿豪家は狐霊、あぐりこを閉じ込める。その守り役として連れてこられたのが千代という孤児。
あぐりこの「つらかったね」の一言が、千代を救い、千代もあぐりこの幸せを願い檻から出してあげようと、命をかけ阿豪家に立ち向かう。
人は(あぐりこは人ではないが)優しい言葉で救われるのだ。
おごれるものは、滅びるしかない。
それにしても、作家という人たちの想像力は無限に広がる。
『あなたの空洞』は震災後のキズを負った人々のそれぞれの行き様を描いた短編集。
こてを読んで『でんでんむしのかなしみ』を思い出すた。
悲しみはだれにでもあるということを。
でも未曾有の地震を経験したことの人たちの深い深い悲しみはその人たちでないとわからないだろう。
『あなたの空洞』のなかで
『母を砕く日』が良かった。
「忘れてあげることも供養のひとつ」という言葉は、これはしっかり故人を愛してきた人だけにあたえられる言葉だ。
自分自身も海か山に散骨してもらうのがいいな。
でも人にゆだねなければならないので迷惑かも。
終活考えなくては・・・・・
『あの家に暮らす四人の女』は読み始めは面白かったのだが、だんだん間延びした感があり読み飛ばしてしまった。
「定型や典型とういものがない、それが家族だ」
と言う言葉が印象的だった。
この四人もまた新しい家族の姿なんだな。
いいな。こんな家族。
物語の語り手がカラスの善福丸に宿る主人公の父親の魂なんてなんと自由な発想なんだ。とわかったところで、??
でも、最後のおちがよかった。
私はいつも見守っている。全身で、つまり魂まるほとで、幸せを願っている。
きみたちは見守られている。私に。すでにこの世にはいない多くのものに。知らないだろう。それでいい。君たちは生きているのだから。
生ある限り、だれかが見守ってくれているのなら、安心して暮らしていけるだろう。
先日スーパーで、グリコのももとざくろのヨーグルトをみつけた。おいしくてくせになりそう。