『さまよえる古道具屋の物語』は古道具にまつわるほのぼの系の話の単編小説集と思って読み始めたら、どんどん繋がっていき、一度は奈落の底まで行き着くような展開もあるが、みんなが必要な古道具を手に入れ幸せをつかもうとする希望のファンタジックミステリー。
生きているだけで、上出来なのだ。
生れて来ただけで、勝ったも同然なのだ。
と思えれば、生き安かろう。
何度でも修理したらよろしいのよ
何度でもやりなおせばいいのだ。
『奮闘するたすく』は、デイサービスの介護施設を舞台に、介護、看取りなど重たい題材を扱っているのだが、小学5年生の目線で書かれいるので、大人には物足りないが、児童書としては、いいところをついている。
経済連携協定でのアジアからの介護士の受け売れをふまえ、インドネシアからきた一生懸命真摯に働くリニさんを登場人物に加え介護現場の現状をよく取材している。
その反面、子ども達に食事の介護まで経験させているとは・・・・実際このことも、取材先であったことなのかな?ちょっと?
「恩着せがましい介護をしてはいけない」は基本の其。「人間、ぜってー、死ぬんだよな」「でもそれまでは、生きてるし」と子どもに言わせたのはいいな。
今度は大人目線で介護現場を描いてもらいたい。