2017-10-30 お遍路さん 本のこと 『慈雨』は定年退職した警官が、夫婦ふたりでお遍路をしながら、正義を貫けなかった重たい過去と真正面から向き合う小説である。 「人生はお天気とおなじ。晴れるときもあれば、ひどい嵐のときもある。 ずっと晴とっても、人生はようないんよ。 日照りが続いたら干ばつになるんやし、雨が続いたら洪水になりよるけんね。晴の日と雨の日がおんなじうらいがちょうどええんよ。 はんまにそうやなと思う。そして、その雨が優しく降り注ぐ、慈しみの雨なら最高。