徒然3行かもしれない日記

日々のこと、身体のこと、本のこと。気になることがあればコメントしてみてください。

老人初心者です

 

老人初心者の覚悟 (単行本)

『老人初心者の覚悟』阿川佐和子

あとがきに記された

おの強気になったり弱気になったりを繰り返す。

(略)「日毎に弱っていく現実を思い知り、その楽しみと哀しみを噛みしめことも無駄ではない」となだめ諭す自分がいる。

まさにそうなんだと思う自分がいる。

赤裸々に綴られこなれた文章。さすがぁ。

 

櫛挽道守

櫛挽道守 (集英社文庫)

『櫛挽道守』木内昇

幕末の木曽藪原の櫛挽職人家族のそれぞれの生き方を時代のうねりと共に描く。

神業を持つ父、それを受け継ぎたいとひたすら櫛挽に魅せられた長女。家や村から飛び出したいと願う二女。才をもちなからも早世した長男。家を守ることに精一杯の母。

ただ自分の行きつく場所をめざして、ひたすら櫛挽をする。長女の夫となる人も櫛挽に魅せれ高見を目指すひとなのだ。

ひたむきな美しい職人魂が描かれている。

しみじみとしたいい作品。

   読後、参考文献の一覧が紹介されてると思ったが?なかったのでちょぴり残念。

想い想われ

この場所であなたの名前を呼んだ

『この場所であなたの名前を呼んだ』加藤千恵

NICU(新生児集中治療室)を舞台にその中で働く医師、看護師、臨床心理士たち、産婦、そして、保育器の中でけなげに生きる小さな命。

それぞれの視点から命の現場をとらえる。

悲しみを消すのではなく、哀しみを背負いながら生きていく

想太と命名された子ども親心に胸を打たれる。

また明日

 

また明日

『また明日』群ようこ

同級生5人が還暦を過ぎて再会する物語。

自分の葬式を心配する独身の友人、ヤヨイに「もし私よりヤヨイちゃんが先に逝ったら後のことは私がちやんとやるから、私が先だったら息子にいっておく」ときっぱりいえる友人関係がとてもうらやましく思った。

人はたべたものと、読んだものでできている

ぼくもだよ。 神楽坂の奇跡の木曜日

『ぼくもだよ』平岡陽明

冒頭の1行が本を印象的なものにする。

盲目の書評家よう子と古本屋を営む本間との奇跡の心温まる物語。

本好きの二人を偶然にも編集者が繋いでいく。

米粒の点字でかかれた「ぼくもだよ」という言葉の重みと優しい心。

最後の1行。

 

猫物語

猫は抱くもの

猫は抱くもの大山淳子

人間と猫の切ない絆の物語。

なくして困るものは、手放してはいけないのだ。

大切なものは、普段はつまらないものにみえていることも知った。

つまらないものを大切にしなければと思った。

面白い構成だった。