『トリカゴ』辻堂ゆめ
無国籍者、幼児監禁、虐待、誘拐、取り換え殺人などなど、問題提起の多いミステリー。
悩みながらも自分の正義を貫き通す主人公、女性刑事がいい。
世の中に完璧などない。同様に、完璧な人間もいない。
不完全な人間同士が、不十分ながらに互いを補い合いやっとのこと
でそれらしい形を保っているのが、自分たちの住む社会なのだ。
自分という人間が自分らしくいられる居場所がこの社会に確かに用意されていいると思える時点でた些末な葛藤があったとしても、理穂子の生活はすでに光に満ちていたのだ。