徒然3行かもしれない日記

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圧倒的

ともぐい

『ともぐい』川崎秋子

猟師、熊爪のまっとうな猟師の生き方と穴持たずの熊との激闘の末、負傷した後のはんぱ者として生きる熊爪の一生を細かに描く。

鹿の解体の様子など羊飼いの作者ならではの微細な描写や犬とともに過酷な自然の真っただ中で生きるきびしくとも、潔く逞しく生きている熊爪がまぶしく感じられる。

終盤の陽子との生活には違和感を覚えるがそれも熊爪の生き方なのであろう。

宮沢賢治の『なめとこ山の熊』を思いながら読んでいた。

圧倒的な世界観の『ともぐい』